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【交通事故】人身傷害保険

2017-06-13

交通事故の被害者が使う人身傷害保険という保険について簡単に説明します。

交通事故の被害者は,原則として対人賠償や対物賠償という加害者の保険を使用しますが,表題の人身傷害保険は被害者自身が加入している保険です。約款によっても異なりますが,車を持っている交通事故の被害者は人身傷害保険という保険を利用することができます(人身傷害保険は被害者の過失割合が高い事案等で威力を発揮します)。

法律では,被害者の過失があると,過失相殺されます。被害者に100万円の総損害が発生していても,被害者に4割過失があれば,60万円の損害になってしまうのです。

では,人身傷害保険はどのような威力を発揮するのでしょうか?

簡単にいえば,人身傷害保険を利用することで残りの40万円を回収することができるというものになります。つまり,被害者自身に過失があっても最終的に100万円全額回収できる,ということになります。もっとも,人身傷害保険の利用は,【賠償先行型】と【人傷先行型】というものがあり,利用の仕方によって,40万円を全額回収できるかどうか差が生じてくる場合があります。これは,人身傷害保険は約款の基準によって支払われるものなので,裁判上の基準とは異なるからです。【賠償先行型】と【人傷先行型】のどちらをとるかは細かい交通事故の知識が必要になりますので,弁護士にお早めにご相談ください。

【交通事故】物損~事故前の傷か事故の傷か

2017-06-07

 

交通事故の物損で事故前の傷か事故の傷か争いになるケースを簡潔に書きます。

 

● 物損で揉める事故前から傷があったのか?パターン

 車両同士の事故の場合,車両の損傷状況で保険会社と揉めることがよくあります。

交通事故は,原則,加害者の任意保険会社が対応します。

加害者の任意保険会社が被害車両の傷は,「事故前」からあったもので,修理代金は支払えない,と判断したとします。

被害者としては,そんなはずはない,事故によるものだ,というご主張になります。

被害者が事故前の写真を持っていれば一番よいのですが,なかなか事故直前の車の写真を持っていたということはないかと思います。

 

● 加害者の保険会社とどのように争うのか?

1)車両保険の利用は不利益が多い

被害者自身がご加入している保険の車両保険を使用することが考えられます。

しかし,車両保険の使用は,等級ダウン,年間保険料のアップという不利益があります。

とすれば,車両保険はできるだけ使用したくないと考えるのが通常でしょう。

 2)不利益のない弁護士特約の利用で弁護士に依頼するは

被害者自身がご加入している保険に弁護士費用補償特約(弁護士費用や実費を負担しなくて済む特約)があるか確認してみてください。

弁護士費用補償特約の利用は,等級ダウン,年間保険料のアップという不利益は一切ありません。

そして,弁護士を使えば,損害の状況を調査してもらえる調査会社を利用することができ,こちら側の証拠というものを揃えることができ,加害者の保険会社と交渉をしていくことができます。

また,実況見分調書なども取得することで,事故の原因,写真等がわかり,傷が事故によって生じたものであるかより明確になると思います。

なお,被害者自身ができることとして,

「事故直後の加害者の車両の写真と事故直後の被害者の車両の写真を撮っておく」ことです,これはのちのちこちら側の証拠を集める際に非常に重要になってきます。

ただ,事故直後に写真なんて撮る余裕は実際ないですよね。

 

【遺言問題】公正証書遺言のススメ

2017-06-05

● 普通方式による遺言の種類

①自筆証書遺言,②公正証書遺言,③秘密証書遺言の3種類があります。

 

● 自筆証書遺言とは

①「自筆証書遺言」は,遺言者が手書きで作ることができるので,費用も時間もかからないものです。

もっとも,デメリットとしては,
・法律上の要件を備えていないものであれば無効になる
・毀棄・隠匿・偽造の危険がある
・相続開始後に家庭裁判所に「検認」の手続きをとらなければならない
といったことがあります。

法律上有効な遺言書を確実に作成したい方,遺言書を確実に保管しておきたい方にはあまりおすすめできるものではありません。

 

● 秘密証書遺言

③「秘密証書遺言」は,公証人役場で保管するもので,誰にも内容を知られないものです。遺言書を確実に保管できるところは,①よりもよいです。

もっとも,デメリットとして,
・公証人がその内容を確認するわけではないので,形式に不備があったりする場合は無効になる危険がある
・相続開始後に家庭裁判所による「検認」の手続をとらなければならない
といったことがあります。

 

● 公正証書遺言のススメ

そこで,②「公正証書遺言」というものがあります。

公的な証書であるというだけなく,公証人が事実関係等を録取の上,法律の規定に則った手続を履践して作成することから,法律上の要件を欠くことなく,有効な遺言書を確実に作成できます(①や③のデメリットを回避)。また,原本は公証役場に保管されますので,遺言書の紛失,破棄,隠匿の危険がありません(①のデメリットを回避)。家庭裁判所の「検認」の手続きも必要ありません(①や③のデメリットを回避)。
ということで,確実性を重視するならば「公正証書遺言」がおすすめといえます。
ただし,公証人役場に行く必要があることや証人を2人みつけなければならないことや手数料がかかります。

公正証書遺言は,弁護士に委任することで依頼者様の負担はある程度軽減され,手続はより確実なものとなります。相続人の範囲を確定し,相続財産を調査し,事情や希望をお伺いして,遺言案を作成するので,内容的に漏れのない確実なものを反映させることができます。それをベースにしたものが公正証書遺言になっていきます。

そして,公証役場に書類を提出する際に公証役場に行って公正証書遺言を作成してもらう日を決めることになります。公正証書遺言を作成してもらう日には,依頼者様も一緒に同行することになります。

 

● 公正証書遺言+αが必要な時代

さて,遺言について説明してきましたが,本当に遺言だけで対策は十分なのでしょうか?!

遺言書は,主に遺産の分け方を定めるもので,死亡時に効力が生じるものです。

そこで,

①死亡前に「寝たきり・要介護状態」や「認知症」になったとき等の財産の管理等には別途契約書を作っておく必要があります。

②死亡後の事務処理についても別途契約書を作っておく必要があります。

契約書の名称は「財産管理等委任契約書」「任意後見契約書」「死後事務委任契約書」等というものです。

これらの契約書も公正証書化をしましょう。任意後見契約は法律では公正証書化しなければ,効力が生じないものとされています。

したがいまして,当事務所では公正証書遺言の作成の依頼の際には,その他の契約書の作成に意向等もお伺いしながら,お客様にあった最適なサービスを提供するように心がけております。

【お知らせ】看板の設置や法律事務職員等

2017-06-03

最近,看板を設置しました。

 当事務所は中野駅南口からすぐのわかりやすい場所にあります。

 ただ,ごく稀に「看板を目指していけばいいのですね」と言われることがあります。

 なので「目印」のために看板を設置しました。

 看板はこのような感じです。

 

なお,法律事務職員も増員し現在は3名で仕事をしています。

 「弁護士を身近に」をテーマに日々弁護士業務に励んでいますので,気軽にお問い合わせください。

関総合法律事務所 弁護士 関真悟

相続とお金の使い込みの争い~使途不明金問題

2017-05-25

1,使途不明金とは何か

亡くなった方(「被相続人」といいます)の預金通帳や取引履歴をみると,

 

死亡前または死亡後に複数回にわたり,多額の預金の引出行為がなされていることがあります。

※ よくある事案

たとえば,被相続人(母)には子が3人(A,B,C)いるとしましょう。

Aは母と同居して母の介護をしていた。B,Cは遠方に住んでおり同居していません。

B,Cが,母の預金から多額の預金が引き出されていることを知って,「全部Aがやったんだ。返せ。」と言う事案です。

既に亡くなっているので,亡くなった本人に自分で引き出したのか・お金はどこにあるのかといった事情を聞くことができません。

事情を知っている相続人がきちんと説明し,その説明が合理的で,他の相続人が納得をすれば争いにはならないかもしれません。

しかし,説明があやふやで領収書などの証拠なども保管していないと,争いになってしまうことが多いです。

このような使途不明金の問題については実務ではどのようになっているのでしょうか。

どのように解決していくのでしょうか?

 

2,使途不明金は実務ではどのように扱うか

(1) ①死亡前の使途不明金と②死亡後の使途不明金

①死亡前の使途不明金は,返還を求める側から贈与の主張がでる場合,遺産分割における特別受益の問題になります。

他方で,贈与の枠組みで解決しない場合,一般的な使途不明金の問題になり,返還を求める側は不当利得であることの立証責任を負います。

 

②死亡後の使途不明金は,遺産分割前の相続預金の払戻制度で払い戻しを受けた場合,遺産の一部分割があったものとみなされます。

他方で,同制度を利用していない場合,一般的な使途不明金の問題になり,返還を求める側は不当利得であることの立証責任を負います。

※ 遺産分割前の相続預金の払戻制度
 被相続人の預貯金額×1/3×払い戻しを希望する相続人の法定相続分。但し、同一銀行から払戻しを受けられる金額は相続人各150万円が上限になります。

(2) ①死亡前の使途不明金の立証責任

返還を求める側は不当利得であることの立証責任を負います。

まず問題になるのが引出行為者です。

ア、被相続人が引き出していたのか,

イ、相続人の1人が引き出していたのか,

が問題になります。

アの場合,不当利得とはいえなくなります(もっとも被相続人が引き出した金員が相続人に渡っているところが証明できれば贈与といえる可能性があり特別受益の問題とします)。

イの場合は,被相続人が同意していたのかが問題になります。

同意していない場合は,意思に基づかないものとして,他の相続人が,勝手に引き出した相続人に返還請求を求めていくことになります。

同意していた場合は,金員の行方によっては不当利得または贈与と扱っていくことになります。

たとえば,被相続人が寝たきりの場合などは同意はないといえるでしょう。

次に問題になるのは金員の行方です。

相続人の1人が自分の為に使った,自分の口座に入れたなどの事実を証明できるのであれば,返還請求権の証明は十分でしょう。

他方で,金員がどこにいったかわかないという事案は多いです。この場合,「被相続人の必要経費だった」という反論がよくあります。

この場合,返還を求められている相続人が必要経費を裏付ける領収書などで,合理的な説明をしていくことがメインとなってきます。

(3)②死亡後の使途不明金の立証責任

上記同様,返還を求める側は不当利得であることの立証責任を負います。

もっとも,死亡前と異なり,死後なので,被相続人の同意はないことが明白です。

したがって,金員の行方だけがメインの争点となります。

前述したとおり,「被相続人の必要経費だった」という反論,

つまり,返還を求められている相続人が必要経費を裏付ける領収書などで,合理的な説明をしていくことがメインとなってきます。

たとえば,入院費用,携帯代,電気代,交通費などは必要経費にあたる場合が多いです。

3,弁護士に依頼をした場合,使途不明金はどうやって解決していくか

(1)請求する側と請求されている側(交渉レベル)

弁護士は請求側も被請求側も相談に乗ります。

まずは証拠分析と立証計画を立てます。

したがって,通帳履歴,取引履歴のほか,たとえば領収書,家計簿,診断書,払い戻し用紙,カルテなど関係しそうな資料をすべて持参してもらうことになります。

そのあと,遺産分割協議中なのかそうなのか等を含め,手続き関係を決めていきます。通常は交渉解決ができないかを考えます。そのほうが迅速で費用面でもお得なためです。

もっとも,交渉が難しい場合,裁判所の手続きにしたがって解決していきます。

(2)調停での解決

裁判所に使途不明金調停というものは起こすことができません。
 
といういのも,遺産とは,死亡時に,現に存在している財産であり,既に払い戻されている場合は,死亡時に「ない」ため,遺産にならないとされてるからです。
 
他方で,遺産分割調停のなかで使途不明金の話し合いをあわせて行うことに全員が合意した場合は,使途不明金も遺産分割調停で話し合いが可能でした。

もっとも,払い戻しをした当の本人が同意をしない場合が多いため,民事訴訟で遺産の範囲の確認の訴えや不当利得返還訴訟をしなければならず,非常に遠回りで時間がかかるものでした。

 
ところが,民法改正により,

遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合の遺産の範囲)という条文が設けられました。

第906条の2
  1. 遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合であっても、共同相続人は、その全員の同意により、当該処分された財産が遺産の分割時に遺産として存在するものとみなすことができる。
  2. 前項の規定にかかわらず、共同相続人の一人又は数人により同項の財産が処分されたときは、当該共同相続人については、同項の同意を得ることを要しない。

この規定により,実際の払い戻しをした相続人の同意はなくても,他の相続人の全員の同意があるときは,遺産分割の対象として存在するものとみなすことができるようになりました。

なので,調停で遺産分割調停のなかで話し合いをすることが容易になりました。

もっとも,同条文は注意が必要で,引出行為者に争いがない場合を前提にしていると解釈できますし,引出行為者や金員の行方などで,争いがある場合は結局話し合いは決裂となり,

合意ができないときは,従前どおり,次に記載する訴訟でしか争うことができないという結論になります。
 

(3)訴訟での法律構成

 
調停で解決ができない場合は,遺産分割とは別のもの遺産分割の前提問題として,訴訟を提起しなければなりませ
そのときの法律構成は,
 
遺産分割もまだ解決しておらず,使途不明金を遺産に含める方向性でいく場合には遺産確認訴訟(この場合再度遺産分割調停審判が必要になります)
 
一部分割が済んでいるなど,遺産分割自体は問題ない場合には「被相続人名義の預金口座から出金された使途不明金」の相続割合分を返せという不当利得返還請求訴訟
 
が選択されます。
 

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弁護士 関真悟

お気軽に相談下さいませ。
 

 

【労働問題】賞与支給日在籍要件

2017-05-24

賞与の支給日在籍要件が就業規則で定められている場合,支給日に在籍していなかったAさんは賞与をもらえないでしょうか(支給日6月30日,退職日5月1日)。支給日在籍要件の有効性が問題になります。

 ● 支給日在籍要件

支給日在籍要件とは,文字どおり,賞与は支給日に在籍している要件を満たして支給します,というものです。

賞与を賃金の後払い的性格であることを強調すれば,労働の対価として認められそうです。他方,賞与は査定によってその都度会社が決定することで発生することを強調すれば,会社の裁量によるので認められにくそうです。

● 就業規則と退職理由

判例は,就業規則に合理性が認められる場合には支給日在籍要件を有効としています。ただし,任意退職と会社都合退職とで区別します。任意退職では労働者が退職日を自由に選択できるので支給日在籍要件が有効になりますが,他方,会社都合退職では労働者が退職日を自由に選択できないので日割計算にて支払うべきものとされます。

● まとめ 

賞与の支給日在籍要件を判断するには・・・・

1,就業規則をチェック

 就業規則(賃金規程)が定められていますか。

就業規則は合理性と周知性を満たしていますか(労働契約法7条本文)。

2,退職理由をチェック

 会社都合の整理解雇,退職勧奨による合意退職,普通解雇,懲戒解雇,自主退職など退職

の理由はなんでしょうか。

3,労使慣行のチェック

 過去の労働者はどう対応していましたか。会社の体制としてどのような扱いになっていますか(自動的に1か月分出すなど)。

等々。

                              以 上  

当事務所は,使用者側の人事労務相談,労働者側の労働相談を積極的に受け付けております。

関総合法律事務所 弁護士 関真悟

【交通事故】後遺障害なし事案の弁護士費用

2017-05-18

後遺障害なし事案だと,弁護士費用が心配という方がいるかもしれません。

そこで,後遺障害なし事案の交通事故の弁護士費用のシミュレーションをしますので,ご参考下さい。

 

例1)後遺障害なし/治療終了後依頼/提示なし→示談金88万円

 (弁特なし)

獲得額77万0800円

弁護士費用10万8000円 実費1200円

※ 人損+物損の事案,事故直後からの事案の依頼の場合は16~18%になります。

 (弁特あり)

獲得額88万円

※弁護士費用は弁護士報酬規程に基づく額が保険会社から弁護士に直接振り込まれる。

 

 例2)後遺障害なし/提示48万円→示談金88万円

 (弁特なし)

獲得額79万2000円

弁護士費用8万6400円 実費1000円

 (弁特あり)

獲得額88万円

※弁護士費用は弁護士報酬規程に基づく額が保険会社から弁護士に直接振り込まれる。

 

後遺障害なしの事案でも,交通事故については弁護士基準で交渉できるのが弁護士だけなので,弁護士をつけるメリットはたくさんあります。

また,後遺障害なしの事案から後遺障害ありの事案に変わることもあります。賠償額の提示後でも後遺障害を狙うことができるか検討の箇所をご参照ください→https://sekisogo.com/baisyougaku_teizi/

以上

関総合法律事務所 弁護士 関真悟

【労働問題】使用者側からの労務相談

2017-05-14

当事務所は,使用者側からの労務相談を積極的に受け付けています。 

 

● トラブルが起きてからでは遅い 

たいていは従業員とトラブルになってしまった経営者からの相談だったりします。

相談を受けると,なぜ前もって弁護士に相談していなかったのだろう?と思ってしまいます。

少なくともこの時点で相談し,こう対処しておけば,適法だったorトラブルにならなかったということがあります。

トラブルが起きてからでは遅いのです。

 

● 使用者側は紛争の未然防止を重視するべき

使用者側では紛争の未然防止を重視するべきです。

トラブルになってしまい労基署からの指導や監督があり,訴訟や審判の対応等をしなければならないとなると,労力や出費は計り知れないものになります。

就業規則等での未然防止と,労働者と法的に適切な交渉をすることでトラブルを未然に防止します。未然防止策を講じておくことで,仮にトラブルになってしまった場合でも被害を最小限に抑えることができます。

 

● 弁護士の利用の仕方は?!

弁護士は相談,書面作成,交渉,審判,訴訟対応等あらゆることができる士業です。

①事実認定の訓練を受けていること,

②あらゆる問題で「代理人」として活動できること

が他の士業と大きく異なるところです。

①についていえば,事実と証拠からどのような法律要件を満たす/満たさないか,訴訟になったときの予測を含めた能力です。

②についていえば,相手との交渉を全て任せることができる(弁護士名で書面を送ることも当然できる)という意味です。

弁護士の利用は,スポットでの利用のみならず,顧問契約での継続的利用もできます。

以上

 

 

業務委託契約と労働者性

2017-05-03

会社側「業務委託契約や請負契約だから,残業代も払わないし,契約終了に何ら問題もない。」

労働者「業務委託契約や請負契約でも,残業代を請求できるし,解雇は無効である。」

どちらの主張が認められるのでしょうか?

業務委託契約や請負契約でも,労働契約法上,労働基準法上の「労働者」といえるか,という法律上の問題があります。以下,簡潔にみていきましょう。

 

よく争いになる業種

裁判例では,フリーの映画撮影技師,歩合制の外交員,研修医,芸能プロダクション所属タレント,一人親方の内装大工,メッセンジャー,運送業務の運転手など,フリーランスなど様々な職種で労働者性が争点になったものがあります。

業務委託契約や請負契約という名称で契約を締結している方に,労働契約法や労働基準法の適用はないのか?ということです。

例えば,労働基準法の「労働者」であれば,時間外・深夜・休日の割増賃金を請求できます(いわゆる残業代請求)が,「労働者」でなければ請求できないことになります。

では,「労働者」とはどのように決めていくのでしょうか?

 

「労働者」について条文の規定

労契法,労基法は,いずれも

①使用性(使用者の指揮命令下で労務の提供をしている者)②賃金性(労務に対する対償を支払われる者)を規定しています。

労基法は,事業の使用されることが加重されているに読めますが,基本的に労契法と労基法の労働者概念は同一と考えてよいです。

 

①使用従属性は,どのように判断されるのでしょうか?

1,形式や名称ではなく,実態を踏まえて判断します。

業務委託契約や請負契約などの形式や名称によって判断するのではなく,実態から判断をしましょう,というのが実務の考え方になっていきます。

なので,業務委託契約や請負契約などの形式や名称で企業と締結しているからといって,「労働者」ではない,という結論にはならないのです。

2,具体的には様々な要素によって判断されます。

・指揮監督関係の存否,内容

・仕事の依頼,業務指示等に対する諾否の自由の有無

・時間的場所的拘束性の有無

・労務提供の代替性の有無

・服務規律の適用の有無等・・・。

 

②賃金性はどのように判断されるのでしょうか?

賃金性は「労働者性」の判断を補強する要素になります。

・事業性の有無(機械,器具の負担関係/報酬の額/その他)

・専属性の程度

・その他

例えば,報酬額の要素として,源泉徴収や保険料の徴収等があれば,労働者性との関係ではプラス要素になっていきます。

 

よく相談のある事例

(労働者側)

・業務委託契約を一方的に打ち切られた。

・業務委託契約を途中で解消すると高額な違約金の請求条項がある。

・残業代は請求できないか。

(使用者側)

・雇用契約にあたると言われ,追徴課税を迫られている。

・業務委託契約を解消したいが問題があるか。

・解雇が無効だと言わてれいる,残業代を請求されている。

・業務委託契約書を作成してほしい。

・雇用契約書を作成してほしい。

 

【不動産等】筆界特定制度

2017-04-29
境界に関する相談は非常に多いです。
 
話し合いで解決させる場合は,お互い譲歩するところは譲歩して,きちんとした合意書等の書面を交わしておく必要があります。
 
さて,話し合いで解決しないのであれば,次のステップに進む必要があります。
 
ここで,境界紛争におすすめの解決手段の1つとして「筆界特定制度」というものがあります。
平成18年から始まった制度です。
法務局主体で行うもので,これまで裁判(境界確定訴訟)でしか解決することができなかった問題をより低コスト・より迅速にをモットーに作られた制度です。
いわゆる境界問題の専門的なADRの位置づけです。
 
申請費用は安いのは大きなメリットですが,
デメリットとしては測量費は結構な額になり(負担割合は事案によります。),平均して解決まで9か月近くかかり,結果に不満であれば裁判で0から争えるという余地を残していることなどです。
もっとも,「筆界特定制度」を利用しておくことは裁判での重要な証拠になることは紛れもない事実です。
 
裁判するのか,筆界特定制度を利用するのか,これは相談者様の意向を重視します。いずれにおいても弁護士は代理人として活動することができますので,気軽にご相談ください。
 
弁護士 関真悟
 
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