【交通事故】外貌醜状

 

● 外貌醜状とは

外貌醜状とは頭部,顔面部,頸部のごとく,上肢及び下肢以外の日常露出する部位に醜状痕が残った後遺障害です。

 

● 認定されうる等級と後遺障害慰謝料の目安

認定されうる等級と後遺障害慰謝料の目安は次のとおりです。

① 外貌に「著しい醜状を残すもの」:7級12号,1000万円

・・・原則として,次のいずれかに該当し,人目につく程度以上のもの

・ 頭部:手のひら大以上の瘢痕又は頭蓋骨の手のひら大以上の欠損

・ 顔面部:鶏卵大面以上の瘢痕又は10円銅貨大以上の組織陥没

・ 頸部:手のひら大以上の瘢痕

② 外貌に「相当程度の醜状を残すもの」:9級16号,690万円

・・・原則として,顔面部の長さ5センチメートル以上の線状痕で,人目につく程度以上のもの

③ 外貌に「醜状を残すもの」:12級14号,290万円

・・・原則として,次のいずれかに該当する場合で,人目につく程度以上のものをいう。

・頭部:鶏卵大面以上の瘢痕又は頭蓋骨の鶏卵大面以上の欠損

・顔面部:10円銅貨大以上の瘢痕又は長さ3センチメートル以上の線状痕

・頸部:鶏卵大面以上の瘢痕

 

● 外貌醜状で問題になる逸失利益

逸失利益とは,後遺障害が残ったことで,労働能力が減少するために,将来発生すると認められる収入の減少のことをいいます。逸失利益は,上述した後遺障害慰謝料とは別に請求できるものです(詳細は,逸失利益の項目を見てください)。外貌醜状の場合,労働能力の減少が実際にあるかとは争いになります。裁判例は次のような考え方です。

A) 労働に直接影響を及ぼすおそれがある場合には,逸失利益が認められる傾向にあります。

女性で芸能人,モデル,ホステス等容姿が重視される場合や男性でアナウンサー,営業マン,ウエイター等それなりに容姿が重視される場合は,転職の支障や顧客の減少などのおそれが認められます。

B) 労働に間接的に影響を及ぼすおそれがある場合には,逸失利益は認められないが,後遺障害慰謝料の増額事由(+100~200万円)になる傾向にあります。

醜状痕で周囲の視線が気になるなどして対人関係や対外的な活動に消極的になる場合,労働に間接的な影響を及ぼすおそれが認められます。

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