Archive for the ‘【交通事故知識】’ Category

【交通事故】弁護士費用特約の確認方法

2017-03-27

弁護士費用補償特約の確認方法を記載致します。

 弁護士費用特約のQ&Aはこちらのリンクの下部を参照ください

https://sekisogo.com/kotsuziko_hiyo/

【自動車保険の確認方法】

流れは1→2→3です。

 1,ご自身の自動車保険を確認する

 保険証書で確認するor保険契約引受けのお知らせで確認するor電話で直接確認する

 2,同居のご家族の自動車保険を確認する

 上記のとおり

 3,別居のご家族の自動車保険を確認する 

 上記のとおり(ただし,別居のご家族の場合,被害者自身が「未婚」であることが特約使用条件であることも多いです。)

※ 弁護士費用特約は自動車運転中の事故でなくても,使えることがほとんどです。各会社の約款の規定によりますので,わからなければ確認しましょう。

【火災保険の例】 

自動車保険を確認して弁護士費用特約がついてなくても諦めてはいけません。火災保険にも付いている場合があります。以下は一例です。

・チャブ(旧エース)損害保険株式会社:賃貸住宅入居者専用「リビングプロテクト総合保険」

・富士火災海上保険株式会社:一戸建て,分譲マンション向けの家庭用火災総合保険「未来住まいる」

・あいおいニッセイ同和損害保険株式会社:一戸建て,分譲マンション向けの家庭用火災総合保険「タフ 住まいの保険」

・損害保険ジャパン日本興亜株式会社:「THE住まいの保険」の個人賠償責任特約

【医療保険の例】

更に自動車保険も火災保険に付いていなくても医療保険に付いていることもあります。

 ・チャブ(旧エース)損害保険株式会社「まかせて安心医療保険」

【交通事故】脊髄損傷

2017-03-27

● 脊髄損傷とは

脊髄損傷とは,脊柱の中にある脊髄が,全部又は一部損傷したことにより,損傷された脊髄神経の髄節支配領域化にある体の部位に完全麻痺又は不完全麻痺が残った後遺障害のことをいいます。

 

● 脊髄損傷かどうかの判断

・頚髄損傷、胸髄損傷、腰髄損傷、中心性脊髄損傷といった傷病名の診断

・感覚テスト従手筋力テスト(MMT)による損傷レベルの高位の確定

・反射の種類

・自律神経障害の有無

・CT,MRI等の画像所見

 

● 認定されうる等級

脊髄損傷の認定可能性のある等級

 ・1級1号    :神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,常に介護を要する

・2級1号    :神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,随時介護を要するもの

・3級3号    :神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,終身労務に服することができないもの

・5級2号    :神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの

・7級4号    :神経系統の機能又は精神に障害を残し,軽易な労務以外の労務に服することができないもの

・9級10号  :神経系統の機能又は精神に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

・12級13号  :局部に頑固な神経症状を残すもの

 

 

【交通事故】口の後遺障害

2017-03-15

● そしゃく及び言語の機能障害

1級2号              咀嚼及び言語の機能を廃したもの   

3級2号              咀嚼又は言語の機能を廃したもの

4級2号              咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの             

6級2号              咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの

9級6号              咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの

10級3号           咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの

 

● 嚥下障害

嚥下障害とは,咀嚼の機能障害の等級を準用する味覚の脱失・減退の障害をいいます。

12級相当             味覚を脱失したもの

14級相当             味覚を減退したもの

 

● 歯牙障害

歯牙障害とは,口内の歯が脱臼,破損した障害をいいます。

10級4号           14歯以上に歯科補綴を加えたもの             

11級4号           10歯以上に歯科補綴を加えたもの             

12級3号           7歯以上に歯科補綴を加えたもの   

13級5号           5歯以上に歯科補綴を加えたもの  

14級2号           3歯以上に歯科補綴を加えたもの  

※ 3本以上からが対象になります。

※ 専用の後遺障害診断書を使います。

※ 多くの職業においては労働能力への直接的な影響を与えないと考えられているので,逸失利益は否定され,外貌醜状と同様,後遺障害慰謝料の増額事由として斟酌されることが多いのが実務の傾向です。

【交通事故】外貌醜状

2017-03-09

 

● 外貌醜状とは

外貌醜状とは頭部,顔面部,頸部のごとく,上肢及び下肢以外の日常露出する部位に醜状痕が残った後遺障害です。

 

● 認定されうる等級と後遺障害慰謝料の目安

認定されうる等級と後遺障害慰謝料の目安は次のとおりです。

① 外貌に「著しい醜状を残すもの」:7級12号,1000万円

・・・原則として,次のいずれかに該当し,人目につく程度以上のもの

・ 頭部:手のひら大以上の瘢痕又は頭蓋骨の手のひら大以上の欠損

・ 顔面部:鶏卵大面以上の瘢痕又は10円銅貨大以上の組織陥没

・ 頸部:手のひら大以上の瘢痕

② 外貌に「相当程度の醜状を残すもの」:9級16号,690万円

・・・原則として,顔面部の長さ5センチメートル以上の線状痕で,人目につく程度以上のもの

③ 外貌に「醜状を残すもの」:12級14号,290万円

・・・原則として,次のいずれかに該当する場合で,人目につく程度以上のものをいう。

・頭部:鶏卵大面以上の瘢痕又は頭蓋骨の鶏卵大面以上の欠損

・顔面部:10円銅貨大以上の瘢痕又は長さ3センチメートル以上の線状痕

・頸部:鶏卵大面以上の瘢痕

 

● 外貌醜状で問題になる逸失利益

逸失利益とは,後遺障害が残ったことで,労働能力が減少するために,将来発生すると認められる収入の減少のことをいいます。逸失利益は,上述した後遺障害慰謝料とは別に請求できるものです(詳細は,逸失利益の項目を見てください)。外貌醜状の場合,労働能力の減少が実際にあるかとは争いになります。裁判例は次のような考え方です。

A) 労働に直接影響を及ぼすおそれがある場合には,逸失利益が認められる傾向にあります。

女性で芸能人,モデル,ホステス等容姿が重視される場合や男性でアナウンサー,営業マン,ウエイター等それなりに容姿が重視される場合は,転職の支障や顧客の減少などのおそれが認められます。

B) 労働に間接的に影響を及ぼすおそれがある場合には,逸失利益は認められないが,後遺障害慰謝料の増額事由(+100~200万円)になる傾向にあります。

醜状痕で周囲の視線が気になるなどして対人関係や対外的な活動に消極的になる場合,労働に間接的な影響を及ぼすおそれが認められます。

【交通事故】下肢・上肢の後遺障害

2017-03-07

 

下肢・上肢の後遺障害をまとめました。

 

● 下肢の後遺障害

①欠損障害

1級5号:両下肢をひざ関節以上で失ったもの

2級4号 :両下肢を足関節以上で失ったもの

4級5号 :1下肢をひざ関節以上で失ったもの

4級7号 :両足をリスフラン関節以上で失ったもの

5級5号 :1下肢を足関節以上で失ったもの

7級8号 :1足をリスフラン関節以上で失ったもの 

②機能障害

1級6号 :両下肢の用を全廃したもの

5級7号 :1下肢の用を全廃したもの

6級7号 :1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの

8級7号 :1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの

10級11号:1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

12級7号:1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの 

③変形障害

7級10号:1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

8級9号 :1下肢に偽関節を残すもの

12級8号:長管骨に変形を残すもの 

④短縮障害

8級5号 :1下肢を5センチメートル以上短縮したもの

10級8号:1下肢を3センチメートル以上短縮したもの

13級8号:1下肢を1センチメートル以上短縮したもの

 

● 上肢(肩・腕)の後遺障害

①欠損障害

1級3号 :両上肢をひじ関節以上で失ったもの

2級3号 :両上肢を手関節以上で失ったもの

4級4号 :1上肢をひじ関節以上で失ったもの

5級4号 :1上肢を手関節以上で失ったもの

②機能障害

1級4号:両上肢の用を全廃したもの

5級6号 :1上肢の用の全廃したもの

6級6号:1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの

8級6号 :1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの

10級10号:1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

12級6号:1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

③変形障害

7級9号 :1上肢に仮関節を残し、著しい運動障害を残すもの

8級8号 :1上肢に偽関節を残すもの

12級8号:長管骨に変形を残すもの

 

【交通事故】物損事故事案

2017-03-02

今回は,物損事故事案での損害をまとめました。

 なお,弁護士費用特約に加入している場合,弁護士費用はかからないので,弁護士に相談・依頼すべきだと思います。弁護士費用特約に加入していない場合,事案によっては弁護士費用が上回ってしまう場合もありますので,よく相談してから依頼したほうがよいと思います。

 ■ 車両損害

(1)修理費

  修理が可能な場合,原則,必要かつ相当な修理費を請求することができます。

  加害者側の保険会社のアジャスターが修理工場との間で協議され,額が決まっていきます。

(2)買替差額

  以下の場合,事故当時の車両価格と売却代金との差額を請求できます。

 ・物理的に修理不可能な場合 

 ・本質的構造部分に重大な損傷が生じ社会通念上買替えが必要な場合 

 ・修理費が事故当時の車両価格及び買替諸経費の合計金額を上回る場合(経済的全損)

※ 事故当時の車両価格の認定

 同一の車種・年式・型,同程度の使用状態・走行距離等の車両を中古車市場において取得するのに要する価格。レッドブック,中古車専門雑誌やオークション

 等が参考になります。

(3)買替諸費用

  車両の買替えには原則として以下のようなものがあります。

  <認められる>

  ・自動車取得税,消費税,自動車重量税,検査,登録法定費,車庫証明法定費 

  <認められない>

  ・自動車税,自賠責保険料

  <争いあり>

  ・検査・登録手続代行費用,車庫証明手続代行費用,納車手数料

 

■ 代車料

 修理や買替えに必要な期間は,車両を使用できないため,代車が必要になるので,代車料を請求できます。

 この期間については,一概には言えませんが,修理の場合は2~3週間,買替えの場合は1か月程度です。

 

■ 休車損

「営業用車両」の修理や買替え中に,事業の用に供することができないため得べかりし利益を喪失することがあります。このような場合に,休車損というものを請求できる可能性があります。(事故車両1日当たりの営業収入-変動経費)×休車日数という計算式で算定されます。

 

■ 評価損

 修理をしても,機能や外観に欠陥があったり又は事故歴があることにより隠れた欠陥があるかもしれないという理由で,中古市場における価格が低下することがあります。このように事故当

 時の車両価格と修理後の車両価格との差額を評価損といい,請求できる可能性があります。

 

 物損に関連する慰謝料については別の機会に書いていきたいと思います。

                                    以上

高次脳機能障害の相談

2017-02-19

 脳外傷による高次脳機能障害とは?

交通事故で,頭部の打撲や外傷を受けて,脳が損傷します。

脳の損傷によって,記憶力低下・集中力が持続しない・以前と人格まで変わりる症状がでて,社会生活における適応能力が低下または喪失し,程度によっては社会復帰が困難になってしまう後遺障害です。

 

● 具体的な症状とは?

・物覚えが悪くなる/忘れっぽい/同じ事を何度も質問するといった症状(記憶障害)

・集中できずミスをする/会話や思考がとぎれとぎれになる/まとまりのない会話/行動に一貫性がなくなったりする症状(注意障害)

・計画性をもって行動したり,周囲の変化する状況に対応することが困難で,思いつきで行動したり,約束の時間を守ることができないなど日常的な生活に支障をきたす症状(遂行機能障害)

・欲しいと思ったものを我慢できなかったり,感情の起伏が激しくなったり,頻繁に怒鳴り散らすなど,自己中心的で暴力的なところもあり子どもじみた行動を起こす症状(社会的行動障害)

 

● 高次脳機能障害の等級は?

高次脳機能障害の症状が出ている場合でも、

脳外傷が原因である場合でなければなりません。

交通事故に「よって」脳の神経や回路や組織が傷ついたり,欠けてしまったり,といった器質的損傷といえなければなりません。

脳外傷が原因でない場合は,非器質的な精神障害とされ,高次脳機能障害とは認められません。

<脳の器質的損傷による後遺障害

・常時介護を要するものが1級

・随時介護を要するものが2級

・終身にわたり、およそ労務につくことができないものが3級

・終身にわたり極めて簡易な労務のほか服することができないものが第5級

・労働能力が一般平均以下に明らかに低下しているものが第7級

・就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されているものが第9級

<非器質的な精神障害>

・9級、12級、14級の可能性

 

● 自賠責の認定基準のポイント

自賠責の後遺障害認定において、高次脳機能障害が後遺障害として認められるポイントは,

① 診断書において、脳挫傷、外傷性くも膜下出血、急性硬膜下出血、びまん性軸索損傷など脳の器質的損傷を示す診断名の記載があること

② 脳損傷が、CT、MRIなどの画像で確認できること

③ 頭部外傷後の意識障害が一定期間生じたこと

④ 高次脳機能障害によるものと思われる症状(記憶障害、性格変化など)が現れていること

などで,なかなか厳しい認定基準になっています。

もっとも,自賠責の後遺障害認定においても,適切な資料を集めることが大切です。専門の医療機関で,受けるべき検査を受けているのか,精度の高いMRIを撮影しているのか等々。

実際には,②画像では確認できない,③意識障害がない,といった場合でも高次脳機能障害特有の症状が発症していることがあり,次のステップである裁判で立証することを踏まえて,資料を準備していくことになります。

また,有用な神経心理学的検査の数値も重要になってきます。

有用な神経心理学的検査としては,

・長谷川式簡易知能評価スケール

・MMSE及びFAB

・WAIS-Ⅲ検査(ウエクスラー成人知能検査)

・WMS-R(ウエクスラー記憶検査)

等があります。

このような検査で,客観的に低い数値がでており,頭部外傷により前頭葉部分に異常がみられる等本件事故によって器質的損傷を受けていることを裏付けることができるかというところも重要になってきます。

 

交通事故と消滅時効

2017-01-31

交通事故と消滅時効の関係はどうなっているのでしょうか?!

改正民法も踏まえて,交通事故と消滅時効について簡潔にまとめます。

一定期間権利を行使しないでいると,時効の援用をされることによって権利が消えてしまうという消滅時効の制度があります。

治療期間が長引いている」

後遺障害や異議申立てに時間がかかっている」

示談交渉に時間がかかっている」

という場合にどのように考えていったらよいのでしょうか?

 

 加害者に対する損害賠償請求権の消滅時効

交通事故の被害者は,加害者に対し,①身体の損害(人身損害=人損),②物の損害(物的損害=物損),の双方または一方を請求する権利があります(損害賠償請求権)。

①人身損害

人身損害においても死亡による損害,傷害による損害,後遺障害による損害があると考えます。更にはそれらの損害を求める際に,自賠責保険に被害者請求(自賠法16条)や運行供与者責任(自賠法3条)を求めていくことも考えられますが,以下のように考えられます。

(1)死亡による損害

死亡日から5年の消滅時効にかかる(改正民法742条の2)

 (2)傷害による損害

事故日から5年の消滅時効にかかる(改正民法742条の2)

 (3)後遺障害による損害

症状固定日から5年の消滅時効にかかる(改正民法742条の2)

※補足
上記改正民法742条の2の施行前の令和2年3月31日までに発生した事故で,かつ,改正民法742条の2の施行日である令和2年4月1日時点でいまだ消滅時効が完成していない交通事故「以外」は,時効は「3年」となります。

(4)運行供与者責任(自賠法3条)

民法の規定によるとされていますので,(1)~(3)と同じという解釈です(自賠法3条)。

※補足
運行供与者責任とは,例えばレンタカー会社が所有する車両を貸与している場合,運転者に不法行為責任が生じますが,車両を貸与しているレンタカー会社である所有者にも運行供与者として責任が生じるというものです。

(5)被害者請求(自賠法16条)

注意が必要です。3年です(自賠法19条,75条)。

※補足
平成22年4月1日以前に発生した交通事故については2年です。

 ②物的損害

物的損害とは例えば車や衣服に関わる損害です。

事故日から3年になります(改正民法724条)。

※補足
改正前後で変わりがありません。

 

 時効の完成猶予

これまで時効の中断と言われた用語が,時効の完成猶予になりました。内容は大きく変わるものではありませんが,例えば4年と364日に以下の完成猶予があれば,事由が終了するまでは時効は完成せず,更新は始まらないということになります。なお,改正民法151条の協議を行う旨の合意による時効の完成猶予という規定は交通事故では今後多く活用されるでしょう(経験あり)。

①裁判上の請求等による時効の完成猶予(改正民法147条)

・ 裁判上の請求
・ 支払督促
・ 民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停
・ 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加
 

②強制執行等による時効の完成猶予(改正民法148条)

・ 強制執行
・ 担保権の実行
・ 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十五条に規定する担保権の実行としての競売の例による競売
・ 民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続又は同法第二百四条に規定する第三者からの情報取得手続

 

③仮差押え等による時効の完成猶予(改正民法149条)

・ 仮差押え
・ 仮処分

 

④催告による時効の完成猶予(改正民法150条)

・ 催告があったときは,6か月間,完成を猶予する(1項)
・ 再度の催告は,完成猶予の効力なし(2項)

※補足
催告とは,裁判外で,履行請求をすることです。典型例は内容証明郵便による催告です。6か月間の完成猶予しかなく,5か月30日までに上記①~③等をする必要があります。

 

⑤協議を行う旨の合意による時効の完成猶予(151条)

今後交通事故の示談交渉中に活用されていくと思います(当職は先日活用してみましたが,損保は案外すんなり応じてくれました)。

書面または電磁的記録で,協議を行う書面を交わせば,最長5年まで時効の完成の猶予をできる規定になります。

 

承認による時効の更新

これまで時効の中断事由の1つとされていた承認が別項目で承認による時効の更新とされました。交通事故では承認による時効の更新は従来からありましたので,交通事故特有の承認による時効の更新も触れていきます。

改正民法152条は承認による時効の更新を設け,

1項で「権利の承認があったときは,その時から新たにその進行を始める。」と規定しております。

 任意保険会社から被害者への直接の支払い 〇

休損や慰謝料仮払いなど,任意保険会社が加害者の代理人的立場で支払っているものとえるため,承認にあたると考えます。なお,任意保険会社が一括対応をしていると医療機関に直接治療費を支払いますが,代位弁済理論により承認になるという考えと,ならないという考えがあると思われます。

任意保険会社からの示談金の提案等の債務の存在を認める書面 〇

任意保険会社から損害賠償額のご案内等の書面で示談金の提案がある場合,債務の存在を認めていることになりますので,たとえ額に争いがあっても,承認になります。もっとも,書面には日付が記載されていることが重要です。口頭の場合,提案した・してないなどで後々争いになっても困りますので日付付きの書面をもらっておきましょう。

自賠責保険金の支払 ×

自賠責保険会社からの支払は,加害者に対する損害賠償請求権の時効の承認事由にはなりません。制度上,自賠責保険会社は加害者の代理人的立場とみることが困難だからです。なお,時効中断承認書というものがあります。これは自賠責保険に対する被害者請求(16条請求)の時効の完成を猶予するものとして151条のようなものと考えられます。

 

最後に

改正前ですが,示談金の提案の書面の記載からすでに3年経ってしまっている事案がありました。

相談者にもう一度現段階の提案を保険会社に要請してみてとアドバイスをしたところ,保険会社が相談者に示談金の再提案してきたことがあり,時効の中断(今は承認による時効の更新)になったことがありました。時効期間が経過していても,保険会社が援用していなのあれば,チャンスはあります。

お気軽にご相談ください。

 

文責:弁護士 関  真 悟

自転車事故

2017-01-27

自転車事故の相談

当事務所は,自転車事故を多く扱っている弁護士事務所です。

自転車事故には,自動車事故と異なるところがあります。

わからないことが多いと思いますので,気軽にご相談ください。

以下,①自動車事故弁護士をつけるメリット,②当事務所の自転車事故サービス,③弁護士費用を案内を簡潔にします。

また,自転車保険の義務化についても記載しております(令和2年2月更新)。

 

自転車事故対応弁護士をつけるメリット

自転車事故対応弁護士メリット1(賠償額の交渉と保険の知識)

自転車には車と違って,自賠責保険がありませんが,警察に届け出て事故処理を行うことは車と同じです。

次に,加害者が保険に入っているかどうか,場合分けして対応方法を書きます。

《加害者が保険に入っていた場合》

加害者の加入している保険会社に賠償額を支払ってもらうことになります。加害者の加入している保険の種類や内容により異なりますが,いったん治療費を立て替えて精算するか,自動車事故と同じように一括対応(病院が直接加害者の保険会社に請求する)をしてもらえる場合もあります。

慰謝料等は提示があるかもしれませんが,約款によっては提示がないところもあります。仮に慰謝料の提示があっても低額なので,弁護士をつけて弁護士基準で交渉するメリットがあります。また自賠責保険がないので,後遺障害の案内をしないこともあります。弁護士をつけて後遺障害の手続きと同様の主張をしていく必要があります。

※ 加害者の保険の例
TSマーク付帯保険,自転車保険,個人賠償責任保険,自動車保険の特約(自転車傷害補償特約や個人賠償責任保険),火災保険の特約(自転車傷害補償特約や個人賠償責任保険)

《加害者が保険に入っていなかった場合》令和2年2月現在(更新),後述するように,東京都も義務化が4月から始まるため,この論点が消滅しかけています。

加害者が保険に入っていなかった場合,ご自身の保険で使える保険がないか検討ください。

ご自身の車の保険などを使用した場合は,治療費は払ってもらえますが,慰謝料は約款のもののため,低額です(後遺障害の慰謝料もかなり低額です)。加害車に直接請求をしていく必要がありますので,弁護士をつけて弁護士基準で交渉するメリットがあります

ご自身の保険で使える保険がなかった場合,労災→健康保険で検討し,治療費をいったんすべて負担ください。

最後に治療費,慰謝料などすべての損害を,加害者に直接請求していく必要がありますので,弁護士をつけて弁護士基準で交渉するメリットがあります

自転車対応弁護士メリット2(後遺障害システム欠如に屈しない)

自賠責損害調査事務所による後遺障害の審査・認定システムがありません。

もっとも,上述した保険に入っていた場合,被害者側で後遺障害の等級に該当することを主張・立証していくことで,任意保険会社独自の認定システムで認定されることがあります。

任意保険会社としては顧問医と相談・調査し,後遺障害何級に該当するものか判断するようです。

後遺障害の主張・立証方法は,自動車事故と同様,主治医に後遺障害診断書などを作成してもらうなどします。弁護士に依頼するならば,すべての資料を集めて,申立書を作成することになります。

保険会社独自のシステムでの認定は厳し目になっていますので,仮にその判定に納得できない場合は,訴訟において主張・立証していくことになります。

主張・立証は,専門家である弁護士のお仕事になりますので,お任せください。

番外:自転車保険義務化?

上記のように自転車には自賠責保険がないことから,被害者に高額な賠償責任が生じかねません。

2019年7月産経新聞で,以下のようなニュースがありましたのでそのまま最初のところを書き出します。

「東京都内で発生する自転車事故が近年、増加傾向にある中、都は自転車を利用する都民に損害賠償保険の加入を義務付ける方針だ。9月の都議会定例会に「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」の改正案を提出する。可決成立すれば、施行は来春になる見通し。自転車事故をめぐっては近年、大きな被害や多額の損害賠償が生じることもあり、都の担当者は「保険加入率アップを期待したい」と話す。」(出典元:産経新聞ネットニューhttps://www.sankei.com/affairs/news/190726/afr1907260043-n1.html

この条例案が可決されれば,東京都においては上記で説明した《加害者が保険に入っていた場合》のみを考えればよいので,被害者救済か可能になります。

令和2年2月更新

自転車保険の加入義務化!?

自転車損害賠償保障等への加入義務化が全国的に進められています。関東域ではすでに埼玉県,神奈川県が義務化の条例を定めています。

東京都も令和2年4月に「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」についてのじてしゃ損害賠償保障等への加入義務化を定めた改正部分が施行されます。

以下,東京都都民安全推進本部のHPから抜粋致します。

<改正のポイント(令和2年4月施行>

  • 自転車利用者、保護者、自転車使用事業者及び自転車貸付業者による自転車損害賠償保険等への加入を義務化

  • 自転車小売業者による自転車購入者に対する自転車損害賠償保険等への加入の有無の確認、確認ができないときの自転車損害賠償保険等への加入に関する情報提供の努力義務化

  • 事業者による自転車通勤をする従業者に対する自転車損害賠償保険等への加入の有無の確認、確認ができないときの自転車損害賠償保険等への加入に関する情報提供の努力義務化

  • 自転車貸付業者による借受人に対する貸付自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等の内容に関する情報提供の努力義務化

  • 学校等の設置者に対し、児童、生徒等への自転車損害賠償保険等に関する情報提供の努力義務化

当事務所の自転車事故サービス

当事務所では自転車事故の案件を数多く扱ってきており,システム自体にも慣れておりますので安心して依頼が可能です。自転車事故で訴訟をして勝訴した事例や後遺障害12級を獲得している事例もたくさん経験しております。

依頼や相談のタイミングはいつがいいのかわからない方がいますが,①治療前,②治療中,③治療後,④賠償額提示後,いずれにおいても相談・依頼が可能になっております。

他の法律事務所との違いは,①②も対応できることです。他の法律事務所は「治療が終わってから来てください」と言うところが多いようです。

弁護士費用

《相談料》

0円

《全国対応出張相談》

弁護士特約あり→負担なし

弁護士特約なし→日当32400円

《着手金・報酬金》

弁護士特約あり→負担なし

弁護士特約なし→着手金 交渉33000円 報酬金18%+税

 

 

【交通事故】むちうち症と神経学的検査

2017-01-19

交通事故でむちうち症になった方,神経学的検査はしっかり受けていますか?

 神経学的検査は,画像所見と同様に,自賠責損害賠償責任保険後遺障害診断書に記載されます。

外傷性の画像所見がない場合でも,自覚症状を説明する神経学的所見があると,14級が認められる可能性があります(その他に,事故状況,症状の一貫性,通院状況が考慮されることは言うまでもありません)。

 今回は,むちうち症の代表的な神経学的検査を頸部に限定して簡潔に記載します。

 ● スパーリングテスト

神経痕を誘発するテストです。

頭部を痛みのある側に傾け,医師が頭部を圧迫し,頸部から上肢に痛みやしびれがあるかどうかをみます。検査結果は,+(陽性),-(陰性)等と表示されます。

 

● ジャクソンテスト

神経痕を誘発するテストです。

頭部を可能な限り後屈させ,医師が患者の頭部を上から下に押し下げ圧迫を加え,頸部から上肢にかけて痛みやしびれがでるかをみます。検査結果は,+(陽性),-(陰性)等と表示されます。

 

● 深部腱反射テスト

腱をゴムのハンマーで叩き、筋に刺激を与えたときに起こる反射(筋収縮)の有無を確認する検査です。

中枢性麻痺(脊髄に異常)が認められるときは、反射は亢進を示します。末梢性麻痺(神経根に異常)が認められるときは、反射は低下、消失します。検査の結果は、亢進(+++)軽度亢進(++)正常(+)低下(±)消失(-)等と表示されます。

 

● 筋萎縮テスト

筋萎縮の程度を測る検査です。

継続的な神経の麻痺があると筋は委縮するという前提のもと,両上肢の肘から10cmのところの上腕部と前腕部の腕周りを計測し,周径の左右差があるかを検査します。

 

他にも,握力検査知覚検査徒手筋力検査など各検査がありますが,説明を省略します。

 自らが治療・リハビリ中に何の検査を受けているのかをしっかり把握して,場合によっては医者に検査を実施するように伝えてください。

               関総合法律事務所 弁護士 関 真悟

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