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債権回収の方法
当事務所は,工事代金,下請代金,部品代金,未払診療報酬,治療費,売掛金,制作・材料費,修理費,賃料(建物明渡しも含む),敷金,保証金,管理費,個人間の貸金,離婚後養育費,離婚前婚姻費用などの各種債権の回収を取り扱っておりますが,取扱い債権に限定はありませんので,お問い合わせください。
債権回収の方法や流れは,次のとおり,①裁判外の交渉 ②裁判所の利用 ③債務名義を取得してから,をお読みください。
なお,予防のための債権回収(信用調査,契約書作成,担保権設定(譲渡担保や連帯保証等))は→こちらのページ
① 裁判外の交渉をする
・内容証明郵便等による催告
弁護士であることを表示した内容証明郵便等で請求し,裁判を予告することで,一定の回収効果が期待できます。
・催告に続く電話や書面等による交渉
催告のあと,弁護士が電話や書面,場合によっては直接会って話し合うことで,支払条件や支払時期を決めていきます。
・公正証書作成で債務名義を獲得
合意した内容を公正証書にすることで,判決と同じ債務名義を得ることができ,合意内容を守らない場合に金銭債権に強制執行ができるようになります。
② 裁判所を利用する(4つの手段)
・即決和解
訴訟提起前に合意が整っている場合,簡易裁判所で和解条項を確認して調書にしてもらうことで,債務名義を得ることができ,金銭債権以外にも強制執行がで
きるようになります。
・支払督促
書面審理のみで裁判所書記官が債務者にその支払いを命じる処分です。
ただし,支払督促を受け取った債務者が異議を述べた場合,訴訟に移行し,手続がなかったことになっていまいます。
訴訟に移行した場合、印紙郵券を別途納める必要があります。
・少額訴訟
60万円以下の金銭の支払いを求める場合に債務者を被告として簡易裁判所に提起します。
原則として1回の審理で終了,判決も審理終了後に言い渡されます。
・訴訟
債権の額が140万円以下の場合は簡易裁判所に,140万円を超える場合は地方裁判所に,債務者を被告として提起します。
訴訟上の和解や判決をとることで,債務名義を得ることができます。
③ 債務名義を手に入れてから
・債務名義の取得
執行受諾文言のある公正証書,和解調書,調停調書,判決書などの債務名義を取得したあとも,相手が支払わない場合,相手の財産に差押えをして,強制的に債権を回収することを考えなければなりません。
※相手の財産が不明の場合はどうするべきか?
民事執行法が改正され,令和2年4月1日から,財産開示手続が充実します,具体的には,今まで財産開示手続きを申し立てても相手が応じない事態がたくさんありましたが,正当な理由なく出頭しない場合などは「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金」が課せられるようなりました(改正民事執行法213条1項)。また,裁判所が不動産や給料債権の問い合わせをして,開示ができるようになりました。
・債務名義の付与と執行文の付与と送達証明書
強制執行をする前には,債務名義の付与と執行文の付与と送達証明の手続きが必要になります。
・国家権力の発動(強制執行)
法務局に担保を提供し,他の給付の執行不能の証明などをして,ようやく強制執行ができるようになっていきます。
当事務所の債権回収の特徴
当事務所が債権回収業務で心掛けていることは,次の3つです。
「回収可能性の吟味を慎重に行う」
当事務所は,お客様が費用倒れにならないように,回収可能性の吟味を慎重に行います。
回収可能性は,財産調査をはじめ,仮差押えの有無,通謀虚偽表示や詐害行為取消しや商号続用など高度な専門知識が要求されます。
「粘り強く交渉すること」
当事務所は,お客様の費用をできるかぎり抑えるため,まずは交渉段階で粘り強く交渉することに重点を置きます。
相手が行方不明な場合でも,職務上請求などで住所を辿っていきます。
「債権の管理,債権回収の強化にもこだわること」
保証人や物的担保を設定することのほか,複数の債権を一本化して債権の管理を容易にすることなども考えます。
公正証書化も検討することが考えられます。
公正証書にする場合には、債権回収を強化する文言を入れます。