不貞行為につき,慰謝料の話し合いがついた場合,
合意書(示談書)を作成します。
今回は不貞慰謝料の合意書に盛り込むべき事項を説明致します。
なお,インターネット上に転がっている書式は事案に応じていないため,事案に応じた合意書を作るには弁護士に相談,依頼されることをオススメ致します。
目次
1,タイトル
タイトルは合意書でも示談書でも構いません。
一般的には不貞行為の場合,合意書というタイトルが多い傾向にあります。
2,不貞行為の特定
誰と誰の間の不貞行為であるかを明記し,不貞行為を特定する必要があります。
事案によっては時期や回数や場所まで特定することがメリットになることがあります。
事案によって変わりますので,個別具体的にご相談ください。
3,給付条項
権利・義務を負わせる条項になり,重要な条項になります。
金額だけ書いていても,権利・義務を特定していないと不貞行為の合意書の意味をなさなくなりますので,ご注意ください。
なお,金〇円の名目は「慰謝料として」のみならず,「解決金として」や「損害賠償債務として」など様々あります。
事案によって柔軟に対応できますので,個別具体的にご相談ください。
4,支払方法
一括払いか分割払いか,
分割払いの場合は分割回数や金額や期限なども正確に明記しておく必要があります。
銀行振り込みか・持参払いか,
銀行振り込みの場合は振込手数料の負担についても明記しておく必要があります(通常支払う側(不貞行為者)が負担と書きます)。
5,清算条項
合意書を交わしてから,もうお互い,何もいえなくなりますよというものを清算条項といいます。あとから,もっと払って下さいなどを言えなくなり意味があります。
また「本件に関し」という文言をいれるかどうかなどの議論もあります。
6,日付,署名,印
合意書の締結日,住所,氏名の署名押印などをして,
原本をそれぞれ1通ずつ保管することを明記します。
7,事案に応じて考えらえる条項
上記1~6があれば,一般的な不貞慰謝料の合意書は完成しますが,
以下は個別具体的事案に応じて盛り込むことがあるものを列挙します。
① 接触禁止条項
不貞行為の再発を防止するための条項になります。
もっとも,どのような接触を禁止するのかは事案によって異なります(手段を問わずとするかどうかなど)。
また,職場や家族などまで広げるか等も事案によって異なります。
そして,実効性を担保するために違反に対する違約金を定めておくことが考えられます。
② 口外禁止条項
不貞行為の事実や示談の内容を第三者に口外しないことを約束するものです。
「正当な理由を除き」という文言をいれるかどうかも問題になります。
そして,実効性を担保するために違反に対する違約金を定めておくことが考えられます。
③ 求償権の放棄
不貞行為は不真正連帯債務のため,不貞をした当事者間が連帯して責任を負うものになります。そのため,不貞をした当事者の一方が慰謝料を全額支払った場合は,他方に半額(厳密には負担割合は事案によって変わります)を請求する権利があります(求償権といいます)。
そのような権利を放棄させる条項をいれることが考えられます。
④ 誹謗中傷禁止条項
SNSなどで誹謗中傷などを禁止する条項になります。
もちろんSNSに限らず,職場や家族に対するものなど名誉毀損行為などを禁止する条項です。
そして,実効性を担保するために違反に対する違約金を定めておくことが考えられます。
その他にも事案によって入れるべき条項などが変わってきます。
詳しくは気軽にご相談くださいませ。
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弁護士 関真悟