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追突事故の法律相談
相談者「信号待ちで停車中に追突されました。こちらの過失は0ですか?また今後どのように対応していったらよいですか?。」
弁護士の回答内容
弁護士「はい。原則,追突事故の被害者の過失は0です。例外として,不必要な急ブレーキや駐停車禁止区域での駐停車の場合に過失割合が問題になります。お客様の相談内容をみると過失は0で間違いはないです。今後の対応ですが,通常の交通事故と何ら異なるところはありません。①警察を呼ぶ,②事故処理をする,③診断書をとる,④警察に診断書を提出する,⑤相手の保険会社から連絡がくる,といった流れを辿ることになるかと考えます。」
弁護士の実務解説
1,追突事故の過失割合の原則
追突事故の過失割合は上記法律相談のとおり,被害者の方は,原則0と考えてよいです。
追突されたほうには過失がなく,追突車のほうによる一方的過失があるからです。
・赤信号停車中
・渋滞中の停止
・停まれ規制による停止
いずれにおいても,被害者のほうは過失0になります。
2,追突事故の過失割合の例外
ただし,被害者のほうにも過失が認められる場合は,過失は0にはなりません。
以下判例タイムズ別冊【38】の図を使用して説明をしていきます。
(1)被害者の急ブレーキ事案
急ブレーキをかけることは,やむを得ない場合を除き,法律で禁止されております(道路交通法24条)。
したがって,法24条に反すると,0:100が「30:70」に基本原則自体が変わってしまいます。
ただし,後続車(加害車両)に速度違反が認められると,違反速度にしたがって修正され10~20:90~80くらいになる可能性もあります。
(2)駐停車禁止場所や駐停車方法不適切や非常点灯等の不灯火等の事案
駐停車禁止場所での駐停車は,他の交通を妨害し,事故の危険発生を高めることになるので,0:100が「10:90」に修正されます。
非常点灯等の不灯火等は,夜間などは,点灯等で警告しておかないと後続車が駐停車車両を発見できないことになるため,0:100が「10~20:90~80」に修正されます。
駐停車方法不適切は,道路交通法が,左端かつ他の交通妨害にならないようにするように要求しているので,それに違反すれば過失が0:100が「10~20:90~80」に修正されます。
ただし,後続車(加害車両)に速度違反が認められると,更なる修正が加わり,0:100になる可能性もあります。
3,追突事故も多種多様
追突された被害者は全く身構えていない状態ですので,衝撃は非常に強いはずです。
衝撃音とともに首や腰を捻って,強く揺さぶられ,車内で複数回打ち付けられます。
私道,国道,駐車場内,高速道路,右折時・・・・。
追突事故といっても,
・加害車両の速度が出ている場合,脳に損傷を与えることもありえます。
・事故直後から痛みが出てくることもありえます。
・事故直後に痛みがなくても,後になってから痛みがでてくることがありえます。
と事故態様等によって様々ですが,事故直後はきちんと警察(内容によっては救急車も)を呼ばなければなりません。
4,保険会社からの連絡が辛い場合
被害者には何らの落ち度がない追突事故ですが,当日または翌日から加害者側の保険会社から連絡がきます。
なぜ落ち度がないのに,何度も電話がかかってくるのか?電話自体が苦痛であるというお話もよく聞きます。また,同意書等の書類が送られてきて,何だか保険会社に丸め込まれてしまうのではないかと不安を感じたというお話もよく聞きます。
このような不安等は,弁護士をつければ,解消します。弁護士が窓口になりますので,弁護士がすべて対応します。
なお,ご自身が加入されている保険会社にも連絡をいれるべきです。搭乗者傷害特約や人身傷害特約に見舞金の特約がついている場合は,規程の通院日数を確認できると10万円程度の見舞金がもらえるからです。
5, 物損をクリアしなければならない
車の損害で疑問点が出てくると思います。
修理費用と時価額という問題です。
例えば,修理費用が50万円で,車の時価額が30万円とすると,
保険会社は,修理ならば「30万円で修理してください」,買い替えるならば「30万円まで出します」と言ってくるかもしれません。
このときに,加害者が対物超過特約に加入しているのか,ご自身の保険に車両保険や新車特約がついているか,何年スパンでどのくらいの保険料が上がってしまうのか等の細かい話も必要になってきます。
物損で損をしないためにも弁護士をつけた方が良いのです。
買い替えの場合の初期手数料の請求はもちろん,時価額からの若干の増額の交渉もできる場合もあります。
6,追突事故は弁護士に相談するのがベスト
追突事故は,当然上記のような過失割合の例外場面もありますし,事故態様や症状は様々です。
まずは物損の処理も必要になってきます。
軽微・重大を問わず,早い段階で弁護士に相談することがベストです。
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