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被害者請求(いわゆる16条請求)とは
被害者請求とは,加害者付保保険会社を飛び越えて,加害者の自賠責保険会社に直接損害の支払いを求める手続きになります。
被害者 → 加害者付保保険会社 → 自賠責保険会社
※ 被害者請求は「加害者が車やバイク(自賠責保険強制加入)」の事故のみできるものです。
「加害者が自転車(自賠責保険なし)」の事故の場合にはできません。
損害の限度額について
①傷害による損害の限度額
120万円
②後遺障害による損害の限度額
認定された等級に応じた金額(※14級は75万円 非該当は0円です)
ただし,①は既払い金に注意しましょう。
つまり,加害者付保保険会社が既に被害者や各医療機関に支払っている既払い金(治療費や休業損害や交通費)も120万円に含まれますので,
既払い金(治療費や休業損害など)が120万円以上に到達してしまっている事案では,①はできないことになります。
たとえば,既払い金が50万円であれば,①の枠は残り70万円になり,70万円の限度で支払いを求めていくことになります。
手続の方法について
(1)傷害による損害の手続(上記①)
主に,加害者付保保険会社が途中で治療を打ち切った事案で,被害者が健康保険等で3割負担で支払って通院していた場合/加害者が任意保険未加入の事案で,被害者が治療費を立て替えて負担して通院していた場合/下記②の手続きと同時に行う場合/の3つが考えられます。
お客様が準備する資料や流れは以下のとおりです。
【お客様が準備する資料】
・印鑑証明書
・委任状(印鑑証明書の印で)
・立て替え分の領収書,診療明細書
・自賠用の診断書(弊所で原紙を用意しております)
・自賠用の診療報酬明細書(弊所で原紙を用意しております)
・施術証明書(弊所で原紙を用意しております)
・休業損害証明書,源泉徴収票(休業損害を請求する方のみ)
・交通費関係の領収書,メモ
【弊所が準備する資料】
・弁護士作成の申立書
・職印証明書
・事故状況報告書(お客様の申告に基づき作成します)
・支払指図書(弁護士特約の場合はお客様の口座を記載し,未加入の場合は預り金口座を記載します)
・既払い金資料
【流れ】
弁護士は自賠責保険会社に申立てを行います。
自賠責保険会社は,書類をチェックし,自賠責調査事務所(損害保険料算出機構)に書類を送り,同事務所により,調査が開始されます。
調査の結果を受けた自賠責保険会社が支払い手続きを行います。
内訳は弊所にハガキできます。なお,内訳は120万円を超えていると詳細には出ない場合があり,金額のみ案内になります。
自賠責基準の通院慰謝料の計算は次のとおりです(2020年3月以前の事故は1日4200円)。
ⅰ)1日4300円×通院日×2
ⅱ)1日4300円×通院期間
ⅰ)とⅱ)の下線部を比較して小さいほうとなります。
例えば,3か月(90日)の間に20日通院した場合,
ⅰ)通院日20日×2=40日
ⅱ)通院期間3カ月(90日)
したがって,ⅰ)が採用になりまして,求めることのできる慰謝料は4300円×20×2の計算で17万2000円となります。
(2)後遺障害による損害の手続(上記②)
後遺障害申請手続きは,ひととおりの治療リハビリをして,改善の余地のない状態や症状が一進一退を繰り返すような状態(いわゆる症状固定※最低6か月必要)が自賠法上の後遺障害に該当するかを審査してもらう手続きになります。
準備する資料や流れは以下のとおりです。
【お客様が準備する資料】
・印鑑証明書
・委任状(印鑑証明書の印で)
・後遺障害診断書(弊所で原紙を用意しております)
・MRI,XP,CT等のCDROM(ただし,なくても手続きは可能ですが,後日取り付けてもらう必要があります。)
・その他(上記(1)をあわせてやる場合は(1)の資料も)
・その他(弊所に依頼する場合,経験を踏まて補充証拠作成などをアドバイスします)
【弊所が準備する資料】
・弁護士作成の申立書
・職印証明書
・事故状況報告書(お客様の申告に基づき弊所で作成します)
・支払指図書(弁護士特約の場合はお客様の口座を記載し,未加入の場合は預り金口座を記載します)
・事故関係書類一式&物損資料(任意社から職権で取り寄せます)
【流れ】
弁護士は自賠責保険会社に申立てを行います。
自賠責保険会社は,書類をチェックし,自賠責調査事務所(損害保険料算出機構)に書類を送り,同事務所により,調査が開始されます。
後遺障害による損害は,調査の結果,後遺障害に該当した場合のみ,自賠責保険会社から等級に応じた損害を直接回収することができることになっています。
◆後遺障害の知識◆
後遺障害の認定においては,共通して,主に,①事故状況(物損状況,受傷態様も)②画像所見,③神経学的所見,④症状の一貫性(症状推移),⑤治療状況・通院状況,の5点が重要なポイントになってきます。
◆判断理由の検討◆
14級は,上記①から⑤をみて,「将来においても回復が困難と見込まれる障害と捉えられるもの」が該当するものとされています(後遺障害診断書記載の自覚症状が上記①~⑤で証明できるか,説明ができるかがポイントになるのです)。
認定理由のなかで,「外傷性の異常所見は認められず,後遺障害診断上,自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見に乏しいことから,他覚的に神経系統の障害が証明されるものとは捉えられません。しかしながら,治療状況,症状推移なども勘案すれば,将来においても回復が困難と見込まれる障害と捉えられることから,別表第二第14級9号に該当するものと判断します。」という記載がよくあります。これによれば,⑤治療状況や④症状の一貫性(症状推移)でも認定され得るということになりますが,実際の実務では,画像所見や神経学的所見が全くない事案は厳しい結果になることがほとんどです。逆に画像所見も外傷性であることを推認させるようなものでなくてはならず,画像所見があっても経年性による既往症であることが証明されると非該当になることがあります。
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