【交通事故】脳外傷による高次脳機能障害

● 脳外傷による高次脳機能障害

脳外傷による高次脳機能障害とは,交通事故によって頭部の打撲や外傷を受け,脳が損傷することで、記憶力が低下したり、集中力が持続しなくなったり以前と人格まで変わり,社会生活における適応能力が低下または喪失し、程度によっては社会復帰が困難になる後遺障害をいいます。

 

● 具体的な症状

・物覚えが悪くなる、忘れっぽい、同じ事を何度も質問するといった症状(記憶障害)

・集中できずミスをする、会話や思考がとぎれとぎれになる、まとまりのない会話や行動に一貫性がなくなったりする症状(注意障害)

・計画性をもって行動したり、周囲の変化する状況に対応することが困難で、自分で計画的に行動できない、思いつきで行動したり、約束の時間を守ることができないなど日常的な生活に支障をきたす症状(遂行機能障害)

・欲しいと思ったものを我慢できなかったり、感情の起伏が激しくなったり、頻繁に怒鳴り散らすなど、自己中心的で暴力的なところもあり子どもじみた行動を起こす症状(社会的行動障害)

 

● 高次脳機能障害の等級

高次脳機能障害の症状が出ている場合でも、

脳外傷が原因である場合でなければなりません。つまり,交通事故によって,脳の神経や回路や組織が傷ついたり,欠けてしまったり,といった器質的損傷といえなければなりません。

脳外傷が原因でない場合は,非器質的な精神障害とされ,高次脳機能障害とは認められません。

<脳の器質的損傷による後遺障害

・常時介護を要するものが1級

・随時介護を要するものが2級

・終身にわたり、およそ労務につくことができないものが3級

・終身にわたり極めて簡易な労務のほか服することができないものが第5級

・労働能力が一般平均以下に明らかに低下しているものが第7級

・就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されているものが第9級

<非器質的な精神障害>

・9級、12級、14級の可能性

 

● 自賠責の認定基準のポイント

自賠責の後遺障害認定において、高次脳機能障害が後遺障害として認められるポイントは,

① 診断書において、脳挫傷、外傷性くも膜下出血、急性硬膜下出血、びまん性軸索損傷など脳の器質的損傷を示す診断名の記載があること

② 脳損傷が、CT、MRIなどの画像で確認できること

③ 頭部外傷後の意識障害が一定期間生じたこと

④ 高次脳機能障害によるものと思われる症状(記憶障害、性格変化など)が現れていること

などで,なかなか厳しい認定基準になっています。

もっとも,自賠責の後遺障害認定においても,適切な資料を集めることが大切です。専門の医療機関で,受けるべき検査を受けているのか,精度の高いMRIを撮影しているのか等々。

実際には,②画像では確認できない,③意識障害がない,といった場合でも高次脳機能障害特有の症状が発症していることがあり,次のステップである裁判で立証することを踏まえて,資料を準備していくことになります。

 次回に続く・・・。                          以上

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