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【交通事故】有給休暇と休業損害

2017-07-07

有給休暇を使った場合,休業損害は発生するのでしょうか。

有給休暇を使えば,給与は全額支給されるので,計算上,休業損害は生じておりません。休業損害をもらえるとすれば,二重取りになるような気がします。

 

しかし,自由に利用できるのが有給休暇です(年休自由利用の原則)。

交通事故の治療のため,有給休暇を旅行等に利用できなかったとすれば,いくら給料のでる休暇とはいえ,損害は発生しているように考えられるところです。

したがって,実務では,有給休暇を使った場合でも,原則として休業損害は発生します。

ただ,過去にあったのですが,保険会社は,有給休暇を使った日に通院していないと争ってくることもありますので注意してください(むち打ちのなかでも軽い事案でした)。

 

なお,休業損害証明書には【欠勤,年次有給休暇,遅刻,早退】と日数を記入する欄があります。有給で休んだ場合でも,休業損害証明書にはしっかりと記入しましょう。

 

【交通事故】主婦の休業損害

2017-01-08

交通事故に遭われた主婦の方の休業損害について書きます。

結論から申し上げますと,

主婦の休業損害は,増額できる可能性のある損害項目です。

 ■ 自賠責基準と弁護士基準(裁判基準)

 ・自賠責基準

自賠責基準は「5700円×休業日数」です。

 

・任意保険基準

自賠責基準の「5700円×休業日数」がほとんどです。

(場合によっては,休業損害について0円の提示をしてくる場合もあります。)

 

・弁護士基準(裁判基準)

平成25年度は「9696円×休業日数」です。

女性労働者の平均賃金額353万9300円を365日で割れば1日あたり9696円になるのです。主婦にも専業主婦だけではなく,兼業主婦(家事と両立してパートや内職もしている主婦)もいるかと思います。兼業主婦の場合,現実の収入額と女性労働者の平均賃金を比較して,収入の多い方を基礎として日額を算出します。

 

・まとめ

「5700円×休業日数」vs「9696円×休業日数」と,差は大きいところです。

(家事労働の日給は意外にも高い?低い?・・・。)

 

■ 休業日数の算出には明確な基準はない!?

給与所得者であれば実際に会社を休んだ日が休業日数になります。

主婦の場合,実際に家事ができなかった日は,入院してたときは別として,客観的な証拠がないのでどうやって算出するのか争いになるところです。後遺障害14級の事案であると,大雑把に

① 実際に通院した日を休業日数とする方法

② 通院開始日から症状固定日までを4等分し,休業率を100%→75%→50%→25%と徐々に減らしていく方法

などがあります。しかし,明確な基準はなく,家族構成や後遺障害の程度や事故前後の家事の内容などによってケースバイケースです。

たとえば,専業主婦(48歳,併合7級)につき,賃セ女性学歴計(45歳~49歳)平均を基礎に事故当日から症状固定まで556日間,完全な休業を要したと認めた裁判例(大阪地判H13.1.25)などもあります。

 

■ 最低限の証拠は残しておく

診療録には,自覚症状などが細かく記載されます。医師に訴えておくことは,実は大切です。

他には,14級の事案で,クライアントから提供を受けた日記やメールを精査していたところ,争いのある期間で,明らかに家事ができていないことの証拠になる部分があって,当該期間の休業を立証できたこともあります。

以 上

                                  弁護士  関 真悟